視覚障害

1. 視覚障害とは?

視覚障害とは、眼の病気やケガなどにより、視力や視野が大きく低下し、眼鏡やコンタクトレンズなどで矯正しても、日常生活を送る上で困難をきたしている状態を指します。

日本国内において、視覚障害の定義は主に「身体障害者福祉法」に基づいています。この法律では、視力や視野の程度によって1級から6級までの障害等級が定められており、この認定基準によって行政による支援の対象となります。

2. 視覚障害の主な種類

視覚障害は、その程度と見え方の特性によって分類されます。

① 視力による分類:弱視と失明

視力による分類では、「弱視」と「失明」に分けられます。

弱視(ロービジョン):視力が比較的残っており、光を感じたり、拡大鏡などの補助具を使うことで、文字の読み書きや移動が可能な状態です。視力は0.05以上0.3未満が一つの目安とされますが、個々の見え方は多様です。

失明(盲):全く光を感じられない状態(全盲)、または光は感じられるものの、視力が極めて低く、視覚的な情報収集が非常に困難な状態を指します。日本の障害認定基準では、視力が0.01以下、または視野が極めて狭い場合などが該当します。

② 見え方による分類

視力低下だけでなく、見え方の特性によっても生活への影響が大きく異なります。

中心暗点:視野の中心部だけが見えない、またはぼやけている状態です。周辺の視界は保たれているため、移動は比較的容易でも、読書や人の顔の認識が困難になることがあります。

視野狭窄:視野の周辺部が欠けていき、見える範囲が狭くなる状態です(トンネル視野など)。日常生活では、暗い場所での移動が困難になったり、車や人などの急な接近に気づきにくくなったりします。

夜盲症:暗い場所や夜間になると極端に見えにくくなる状態です。夜間の外出や、暗い室内での行動に支障をきたします。

3. 視覚障害を引き起こす主な疾患

視覚障害の原因となる疾患は多岐にわたりますが、特に成人の失明原因の上位を占める代表的な疾患について解説します。

① 緑内障(りょくないしょう)

眼の奥にある視神経が障害され、視野が徐々に狭くなる病気です。眼圧の上昇が主な原因とされますが、眼圧が正常でも発症するケースもあります。一度進行した視野の欠損は元に戻らないため、早期発見・早期治療が極めて重要です。

② 糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)

これは糖尿病の合併症の一つです。高血糖状態が続くことによって網膜の細い血管が傷つき、出血や網膜剥離などを引き起こし、重度の視力低下を招きます。日本の成人の失明原因において、長らく第1位を占めていた疾患です。

③ 加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)

加齢に伴い、網膜の中心部にある黄斑という場所がダメージを受ける病気です。これにより、視力低下や中心暗点、ものが歪んで見える(変視症)などの症状が現れます。

④ 網膜色素変性症(もうまくしきそへんせいしょう)

網膜の細胞が徐々に機能を失っていく遺伝性の難病です。初期には夜盲症の症状が現れ、その後、視野狭窄が進行し、最終的に視力が大きく低下します。

⑤ その他の疾患

その他の主な原因疾患には、眼のレンズにあたる水晶体が濁る白内障や、網膜が眼底から剥がれてしまう網膜剥離などがあります。

4. 視覚障害者を取り巻く環境と支援

視覚障害を持つ人々は、白杖(はくじょう)や盲導犬の利用、点字、音声ガイドなどの様々な手段を活用して社会生活を送っています。

ロービジョンケアでは、残された視機能を最大限に活用するために、拡大鏡や遮光眼鏡などの補助具の選定、生活環境の整備、専門的な訓練が行われます。

また、現代社会において、ウェブサイトやデジタルコンテンツを、スクリーンリーダーなどの支援技術でも利用できるようにする情報アクセシビリティへの配慮(Webアクセシビリティ)は、重要な社会的な課題となっています。

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