聴覚障害

1. 聴覚障害とは?

聴覚障害とは、音を聞く、または感じるための経路(外耳、中耳、内耳、聴神経など)のどこかに障害があり、周囲の音や話し言葉が聞こえにくくなったり、ほとんど聞こえなくなったりする状態を指します。

聴力レベルは、音の強さを示すデシベル(dB)という単位で測定され、この数値が大きいほど難聴の程度が重くなります。日本では、身体障害者福祉法に基づき、両耳の聴力レベルなどによって、聴覚障害の等級(2級から6級など)が定められています。

2. 聴覚障害の主な種類(障害部位による分類)

聴覚障害は、音を伝える部分と音を感知・識別する部分のどこに問題があるかによって、大きく三種類に分類されます。

① 伝音性難聴(でんおんせいなんちょう)

外耳から中耳にかけての音を伝える経路に障害があることで起こる難聴です。鼓膜や耳小骨に問題があるため、音が内耳にうまく伝わらなくなります。

特徴: 小さな音が聞き取れないという症状が主です。例えるなら、常に耳栓をしているような状態で、音のボリュームを上げれば、比較的はっきり聞こえることが多いです。

原因疾患: 耳垢の詰まり(耳垢塞栓)、中耳炎、鼓膜の損傷などが挙げられます。医学的な治療によって改善する可能性があるものも多く含まれます。

② 感音性難聴(かんおんせいなんちょう)

内耳(蝸牛)から聴神経、脳の聴覚中枢にかけての音を感知・識別する経路に障害があることで起こる難聴です。

特徴: 音が小さく聞こえるだけでなく、音が歪んで聞こえる、言葉がはっきり聞き取れない(聞き分けが難しい)といった症状が現れます。ボリュームを上げても、言葉の内容を理解することが困難な場合が多いです。

原因疾患: 加齢による老人性難聴、突発性難聴、メニエール病、音響外傷(大きな音による損傷)などが含まれます。回復が難しく、補聴器の効果を得にくいケースもあります。

③ 混合性難聴(こんごうせいなんちょう)

伝音性難聴と感音性難聴の両方が認められる状態です。「音を伝える部位」と「音を判別する部位」の双方に問題が起きている難聴です。老人性難聴の中には、この混合性難聴が多いとされています。

3. 難聴の程度による分類(聴力レベル)

聴覚障害は、聴力レベル(dB)によって以下のように分類され、日常生活への影響が異なります。

軽度難聴(約25~39dB):ささやき声や小さな音が聞き取りにくく、騒音の中での会話が困難になることがあります。

中等度難聴(約40~69dB):普通の音量の会話が聞き取りづらくなり、補聴器が必要とされるレベルです。

高度難聴(約70~89dB):補聴器なしでは、普通の会話がほとんど聞き取れない状態です。非常に大きな音だけが聞こえます。

重度難聴・聾(約90dB以上):耳元で大きな声で話されても聞き取れない、話し言葉がほとんど聞こえない状態です。

4. 聴覚障害者とのコミュニケーションと支援

聴覚障害を持つ人々は、聞こえ始めた時期によって、生まれつき、または幼い頃から聞こえない「ろう者」と、大人になってから聴力を失った「中途失聴者」に分けられ、それぞれコミュニケーション手段が異なります。

主なコミュニケーション手段:

手話: 日本手話や日本語対応手話などがあります。

筆談: 紙やスマートフォン、タブレットなどを用いて文字でやり取りします。

要約筆記: 話し言葉をリアルタイムで文字にして伝える支援です。

読話(口話): 相手の口の動きを読み取って話の内容を理解します。

聴覚障害者にとって、情報アクセシビリティ(特に音声情報の文字化)は非常に重要であり、社会全体での配慮が求められています。

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